視野が広がり道が太くなれば、頭を守ってくれるものは何もなく雨がシトシ降っていることに改めて気づく。
思っていたよりも降っている。
傘をさしている人もちらほら。
東棟には沢山のお堂。
すべての御朱印をもらっていたらきりがないことは承知済み。
以前、テレビで寺女子と名乗る芸能人がいた。彼女が持ってきた御朱印帳はほとんどが東塔でいただける御朱印で埋まっていた。
寺好きというならば・・・・それでいいのかと頭をひねった覚えあり。
まぁ私の目的は御朱印帳を埋め尽くすことではないので、今回は根本中堂のものだけいただくことに。
いい感じの山深さ。
自然の壮大さと町から離れた軽い孤独感を感じるひと時。
自分の小ささに安心感を覚え、調子に乗らずに気を引き締めて楽しませてもらおうと感じられる。
坂道をずっと登っていると距離感覚がおかしくなる。
既に500mは歩いただろうと思っても実際は200mしか進んでなかったりする。
妖精に聞いたときは150mほどでたどり着くと言われたから、もうすでに見つけられずに通り越したとばかり思っていた。
見つかって良かった。
もちろんお地蔵さんたちにご挨拶しに向かうことに。
一歩踏み込んでわかる、ここの空気違う。
聞けばここから150m先に50個ほどのお地蔵さんがあり、おじさんが見つけたらしい。
みんなに見てもらいたいからこの辺を手入れしているのだとか。
道沿いは凹みがあったり、石砂利だらけだけど脇の草を刈れば歩きやすい平坦な道が広くなるという心遣い。
嬉しいばかり。
「まぁお地蔵さんも見かけたら寄ってみて」と照れ臭そうに言ってくれた。
蚊が多いからノンスリーブに短パンの格好は良くないと注意されたけど、スティックを持ちリュック背負ってハイキングシューズ履いている姿を見てこう言ってくれた。
「大丈夫だろう、絶対怪我しちゃいけないよ。ゆっくり進みなさい。」