さぁてハットについたらまずやるべきこと、寝床取り。
キッチン、ダイニング部屋にも2段寝床がみっちりと並んでいる。
でも誰もこの場所に荷物を置いていない。
少なくとも人はいるのにと首をかしげると、やっぱり。別にドアが2つあり。
1つのドアを開けるとすでに数個の荷物。
もう1つのドアを開けたらオランダの彼女しかいなかった。
一段目に4つのシート、上段には3つのシート。
「隣においでよ。」彼女にそう言われたけど、こんなにスペースがある中、あえて隣に寝る必要はない。
さらに端のベットはシートが小さく寝床が狭い。
もしかしたら上段でミーアと二人で寝れば隣の狭い場所に誰も来ないかもとそこを利用することに。
「今日はミーアの隣で寝たい。」
ほらっ。
願い叶ったでしょ、得意気な私。
まるでラインが引かれたように地面の色が変わる。
灰黄色から、灰白色へ。
周辺の雰囲気が変化する。
今度は岩アート道。
今日だけでどれほどの景色を与えてもらったんだろう。
ズリズリ恐怖におびえながら歩く私。
その横を軽快に私たちを過ぎていく女性、感動したよ。
心を落ち着かせようと周りを見るとやっぱりロードオブザリング景色。
「終盤、悪いやつと全面的に戦い、フロドが指輪の力と戦いながら歩いていた場所だよね。」
ミーアも周りを見て思い出した。
「あー、この端から沢山の敵や見方が出てきた場所だ。」
「うん。」
「よくわかったね。」
「もう3回くらい見ているからね。」
そしてここならナウルホエ山も近い。
大変な道の平和な会話。
先には人の姿アリ。
はぁ、やっとこの先は平坦な道が続く。
と思ったのにぃ~。
案内板は違うところへ私たちを指示する。
このまっすぐ伸びた歩きやすい道はトンガリロアルペンクロッシングのもの。
荷物の軽い日帰りハイカーコースだった。
これから下る道、改めて写真をもう一度。
写真だと3Dの傾斜などが伝わりにくいのが本当に残念。
最後の上りは怖かった。
荷物重いし、お尻痛し、風に飛ばされるし。
でも一番の恐怖はここにあった。
今回のグレートウォークで一番怖ったのがここの下り。
これ知らない方だけど良いショットなのでここでご紹介。
少しずつでいい、進まないと。
一気に標高が上がった、さらに道は斜めで滑りやすく傾斜もきついし、石ころがバランスを崩させる。
荷物の軽い1日ハイキングの人も私と同じほどのスピードになっている。
たまに抜くこともある。
誰だってきついんだ。
でもそんな中歩いてきた、そしてやっと道がフラットになった。
頑張った自分、景色がすごい。
後に引けない状態が前進だけに集中させ、そしてご褒美くれた。
一生懸命を登ってきた。
重たい荷物背負って、お尻も疲れて、抜かされても抜かされてもめげずに前を見て。
マップ見て気づいていたよ。
確かにこの後、さらに急な上りがあることは。
でも、状況よっ、状況。
これならいけるっ!って思える場所を進みたかった。
想定外の道に後ずさりしたい気分。
目の前に現実がどんどん近づいていて来る。
そして皆の足が同じ方向へと進んでいる。