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テネリフェ26日目

26日目:

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ベットにはシーツしかなく布団もブランケットもない。まぁいいかと思い寝ていたものの、やはり寒くなり起きて部屋中を探すとかけ布団を発見し、無事、安眠につく。そんなこと夜にやるから朝の目覚めは悪い。

 

昨日、宿主と約束した通り8時半にダイニングに行くと朝食用のお皿が並ぶ。ティーかコーヒーかとお手伝いスタッフより注文を受ける。

すると別のキューバとフランスの二人の女性グループも来た。イタリア出身のホストも現れ多国籍朝食タイム。

いろいろと話は膨らむと次にスペイン出身男性二人組登場。どうやら空手の試合に出場するためにここに訪れたらしい。

 

先ほどの女性はいつのまにか消え、私達は席を離れるチャンスを逃している。今日はこの後、旅最後のハイキングを楽しみたいんだけど、その前にチェックインもしたい。

チャンスを見計らい席を経ち、ホストのペーパーワークが終わり、一泊経ってからやっとチェックイン完了。

 

 

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私がシャワーを浴びている間に出来る男、ミーアは良いハイキングルートを見つけておいてくれた。

ここから車で1時間ほど。昼食を購入しようとスーパーを探すも駐車場が上手く見つけられず軽いパニック状態。

冷静になりスーパーディノを見つけ、なんだかんだ車を駐車。明日にはマドリッドに旅立つ身、買う量にも気を使わないと。

 

都会から抜けて田舎道に入れば運転にも安心感が生まれる。

しかしナビに沿い、ドライブを続けると杉の森は抜け、テイデ山まで見えてきちゃった。それだけじゃないよ、天文台まで見えてきて、すぐそばに停車。

どうやらここは国立公園。最後のコースは杉に囲まれたハイキングコースに行きたいと言っていたミーアが選んだコースは標高2300mテイデ山を眺めながらの8km平坦コース。これはこれで面白そう。

 

 

 

 

 

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日差しがあっても風は冷たく温度は低い。日焼け対策して、着込んで出発。

入り口側の案内板を見てみるとどうやら今日はハンティングデーらしい。まぁカラフルな装いの二人、動物に間違えられて撃たれることはないだろう。

 

道は広く乾いたゴツゴツロードにはくっきりタイヤの跡。それにしてもマイクのコース選びが良かったのか本当、すべてのコースが全く違う。

歩いた分だけ違った角度でテイデ山が見られる。周辺には乾いた草木。1時間前には都会の中にいたことを思う。そして今はこの景色、再び夢気分。

道沿いの標識にはここの歴史や生成された方法について書いてある。また誇らしく咲く花や鳥との出会いも面白い。

すると先にテイデ山の他にも鋭利な形をした丘のようなものが見えてきた。楽しめる景色は1つではない。

 

 

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火山岩は真っ黒い熱さを感じる。薄い茶色をしていた道に黒が混じる。

今ではタイヤの跡だけだったけど、先に車と人の姿が見える。装いからいってハンティングではなさそう。このコースを車で進む楽しみもあるのだろうけど、やっぱり歩いたほうが私達らしい。

このまま車と合流かと思いきや、道は右折し、真っ黒くなり威圧感すら感じる。乾いた道をひた進めば再び淡い茶色道に戻る。気分はもうアボリジニ。

 

ここ数日はフェリー乗継のため都会の中にいた。時間が経過するのを待っているような時を過ごしたせいか、こう自然と向かい合う時間に安堵を覚える。

心地よい疲れを感じたところで絶景の中での最後のランチタイム。地球の寛大さを実感する。この地に来て良かった。

 

 

 

 

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再び歩き始めると横で変化を遂げていたテイデ山が目の前に現る。

平坦な道から小高い丘を登へと変化。標高が高いので簡単に息切れする。しかし待ち受ける絶景を思い、歩は止まらない。雲が空キャンパスに美しく伸び渡る。

登り終わったと思うとまた道が現れ、登ればまた道が続く。どのくらい続くのかも気力も体内酸素も薄くなる。

そういえば最初は下って始まった。周回コースだからいつかは登る必要がある。どうやら登りは終わったようだ。

 

ご褒美とばかり後ろを振り返れば自分が歩いたコースが広がる。

なんてこった、こんな美しい景色の中を自分は歩いてきたのか。先に続くコースはまた異なる表情。歩くごとに場面は変化する。

 

 

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道はなだらかになり天文台の姿が見えてきた。

今回の旅では周回コースを目的に進むと、何らかの思いもよらぬ出来事が起き、折り返しコースになっていた。しかし今回初めて周回コースを事前に見つけてちゃんとゴールが見えてきた。多分、ここにも何か深い理由が画されている気がする。

 

天文台を前に進めば、内側で何かが動き出す。このコース、初めてだけどこの風景既に知っている。それは私の中に眠る物語の始まりの光景。思いが現実となり現れ、すごく不思議な気持ちになる。

 

カナリア諸島に来て私の中のいろんな記憶が蘇り、多くの思い込みの解放へと導いてもらった。

旅したいと感じる地には自分を解放し、刺激する秘密が待っているものだ。

 

 

 

 

 

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テイデ山は後ろとなり、道を進む。旅はあと少しで終わりを遂げようとしている。

寂しい気持ちと安堵する気持ちが交差しながら全てを残したいとシャッターは止まらない。

 

道は赤土となり、脇に車道が見えてくる。天文台もあと少しという場所で人の声が響き渡る。駐車場に無事戻りハイキングが終了。

声の主は駐車場でおしゃべりタイムのハンティンググループ。

「最後にふさわしいルートをありがとう。」ミーアにしっかりとお礼を伝える。

4時過ぎ、車へと乗り込み町へ戻る。なにかと目にしたテイデ山もこれが最後、沢山の経験をありがとう。

 

 

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杉道に戻ってくると体にだるさを感じる。昨夜うまく寝られなかったな。木陰の良い駐車場を見つけてお昼寝タイム。だるさが回復し、町へと戻る。

7つも出口があるラウンドアバウト、少しは慣れてきたけど本当、最初はただの嫌がらせにしか思えなかった。

 

いつもの駐車の到着し、スーパーを探してみるとなんと小さいながらもマルカドナがあることが分かった。もっと早く調べておけばよかった。お土産のチョコレートを購入し、こちらも今日最後となる合気道稽古。

 

セザルラグーナ道場、先生、生徒素晴らしく本当に温かく迎えてくれた。稽古後はティータイムの時間を設けてもらいスペインの合気道事情などを教えてもらった。

国が違えばいろいろとある。みんなともっと交流したい、スペイン語、勉強しようっと。

 

 

 

 

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夜は再び道場、近くの商店でビールを購入。

今回のキッチンはもう散らかりっぱなし。朝、親切にサーブしてくれたお手伝いカップルに会うとなんとも横柄な態度。ホストがいないとこんなにも態度が変わるものかとびっくりする。人を雇う大変さを改めて感じる。

 

残り物で晩酌タイム。互いにシャワーを浴びると足にはしっかりと日焼けの跡。

上半身委は日焼け止め塗っていたけど、下半身は見事に忘れていた。ハイキングでこんなに足焼けたのは初めてだ。

 

明日はマドリッドに戻る。12時過ぎテネリフェ最後の睡眠へとベットに向かう。

 

 

 

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